奈良医科大学が発表したオゾンによるコロナウイルスの不活化を考察

奈良医科大で令和2年に発表された下記の記事ですが、当時オゾンとイオンとの関係を研究している中で、非常に興味深い記事でしたので紹介いたします。

(世界初)オゾンによる新型コロナウイルス不活化を確認
(世界初)オゾンによる新型コロナウイルス不活化の条件を明らかにした。

新型コロナウイルス細胞株を培養し、安全キャビネット内に設置した耐オゾン気密ボックス内に、ステンレスプレートを設置し、実験対象の新型コロナウイルスを塗布します。
耐オゾン気密ボックス内に設置したオゾナイザー(PMDA認証の医療機器:オゾン発生器)を稼働させ
て、耐オゾン気密ボックス内のオゾン濃度を1.0~6.0ppmに制御し維持させます。

1.CT値330(オゾン濃度6ppmで55分曝露)では、1/1,000~1/10,000まで不活化。
2.CT値 60(オゾン濃度1ppmで60分曝露)では、1/10~1/100まで不活化。

本当にオゾンの効果だったのか?

試験方法としては、『耐オゾン気密ボックス内に設置したオゾン発生器を稼働させて、耐オゾン気密ボックス内のオゾン濃度を1.0~6.0ppmに制御し維持させます。』との記述があります。私が気になったのは「オゾン発生器」機密ボックスに設置するという部分です。

オゾン発生器は基本的には『プラズマ』による『⚡コロナ放電』方式でオゾンを発生させるものがほとんどです。そうするとプラズマが発生し、オゾン以外の要因が考えられるという点です。上記の実験において、ボックス内に『オゾンガスのみ』を入れて実験したものでは無いという事に私は関心を持っております。

コロナ放電は電子が移動する

このような不活化試験の場合、グローブボックスと呼ばれる試験箱の中にて行われますが、今回はこの中に『オゾン発生器』を入れてオゾンを発生させています。オゾン発生器の内部では『コロナ放電』という現象が起きています。実際にオゾンを発生させる時に、かなりの高電圧が掛かる事から静電気が発生しやすくなります。

そうするとグローブボックス内の『壁』に向かって電子が移動し始めます。実際にタバコの煙などの実験を見ても分かりますが、煙はグローブボックスの内部の壁に粒子として大量に付着します。透明のケースなので煙が無くなったように見えますが、実は壁に付着しているだけという現象が起きます。

高電圧域にて死滅する虫たち

実はタバコの煙の実験で分かった事ですが、コロナ放電を行うと、この内壁に10KV程度の静電気を確認する事が出来ます。この静電域では蚊やコバエなども感電死する現象も確認されています。何が言いたいかと言いますと、グローブボックスの壁に帯電した静電気に引き寄せられたウイルスに電撃が加えられ、不活化された可能性も十分あるという事です。

プラズマと不活化

現在、神奈川県立産業技術総合研究所(kistec)に、この『静電気による電撃』と『ウイルス不活化』の試験を依頼しております。私は以前から電撃現象とウイルス不活化に密接な関係があると考えております。是非また結果が出たらご報告させて頂きたいと思います。

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